書籍・雑誌

2012/08/28

夏の読書

最近、昔読んだ本を読み返しています。

昔というのは、主に小学生の頃、と置き換えたほうがいいです。

まだ途中ですが、
「三国志」吉川英治

宮沢賢治の本 「銀河鉄道の夜」など 

アーサー・コナン・ドイルの本 「まだらのひも」など ホームズもの

夏目漱石 「坊っちゃん」など

モーリス・ルブラン 「奇厳城」 ルパンもの

三国志以外はあるきっかけがありました。
それはWebに上がっている作品をアンドロイド携帯にダウンロードして読むことができることを知ったのです。

青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/index.html

20120825_aozora_bunko

携帯の画面ではこんな感じです。青空文庫を携帯で読める無料アプリあります。
この画面はまだ自分用に最適化していません。
実際には背景は黒に、文字色はやや灰色っぽい白。
文字の大きさや行間のサイズももう少し小さめにしています。

無料で読める作品は著作権の切れたものに限定されますが、それでもなんといい時代になったことか。
まぁ、図書館通っているようなものか。

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2012/05/11

休み中に「管仲」を読みました。

管仲、字は夷吾。潁上の人。
鮑叔(鮑叔牙)との親密な友人関係は後世に「管鮑の交わり」と呼ばれる。
古代中国、春秋時代の斉の宰相となって、主君の桓公を春秋時代初の覇者とした。

自分が知っていたのはこのくらいです。
ただ一般的に中国で名宰相といえば、管仲の名が一番に出てきます。
それくらいメジャーな人です。

宮城谷さんの作品に名宰相と呼ばれる人を題材にしたものは他にもあります。
伊尹、太公望、百里奚、晏嬰、楽毅、孟嘗君、呂不韋などなど。

管仲が書かれたのはずいぶん後になってからのようですし、自分自身も管仲を読むのは避けていたところがあります。
メジャーな人物を扱った作品に対する、今さら感、とでも言いましょうか。

さて読んでみて意外だったのは、管仲の印象が薄い。
前半、管仲の悲恋が大きな部分を占めます。すくなくとも管仲自身の心の影となっています。
肉親に関する相克や葛藤も合わさって、普通の人、という印象です。
管仲には別な女性との出会いがあり、その悲恋の相手とは終盤に意外な形で再会します。
その辺に共感する部分がなかったからかもしれない。

むしろ、自分は鮑叔に魅かれていました。
この本を読む前から、鮑叔のほうに好感があったからかもしれません。
彼には管仲に比べて運の良さ、というものがあるように受け取られがちです。
それはこの本の中でも触れられていますが、自分はそう思えない。
物語の終盤に鮑叔の影はほとんど消えてしまいます。

主人公よりもむしろその脇にいる人物の印象が強く残る。
宮城谷さんの作品にはこういう印象の作品が他にもあります。
「重耳」(晋の文公)における孤堰もそうです。
ただこの場合、自分はこの作品を読む前に孤堰の名をよく知らなかった。

中国の歴史ではそういう脇役が重要な役目を果たす、ということが多いように思います。
そういうことも無関係ではないのかもしれません。
でも歴史上の本来は斉の桓公を主役として脇役(補佐役)が管仲になるのですが・・・

史書での管仲の活躍は桓公の補佐を始めてからになるのですが、この本ではその時点で既に終盤です。
なんとなく宮城谷さんが意図的に、そのような印象を持つように仕向けている気がしてなりません。
ともかく歴史上、晏嬰と同じかそれ以上の評価をされている管仲を題材にしたお話としては、同じ著者の「晏嬰」ほどのインパクトはありませんでした。

うーむ。

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2012/03/02

中世風、ビジネスファンタンジー?

『狼と香辛料』という本を読んでいます。
昨年の台湾出張の頃から読み始めています。
過去にこのブログでも題名くらいは紹介している模様。
http://pon-blue.way-nifty.com/sora/2011/07/post-28fb.html

ライトノベル、という分類になるんでしょうかね。
舞台は中世ヨーロッパ風の街やその付近、ということになるかと思います。
もちろん架空のお話です。
中世欧州風の架空話(ファンタジー)ではありがちな、魔法使いとか騎士とか、英雄とか宗教が活躍するような場面はありません。
流行の錬金術も、もちろん出てきません。錬金術師は出てくるかな。(3巻)

この小説のテーマはずばり、「経済」もしくは「商売」とか「かけひき」というところでしょう。
だから主人公は商人です。正確には行商。
なので、「ホニャララ商業組合(とか商会とか)」とか「ホニャララ銀貨」とかが登場します。
作中では、どこどこで宗教戦争が起こっているので周辺の町では武具が売れる、というような話題があったり、どこそこの町では金(製品)への関税が非常に高い、というような話が出てきます。
自分は交易関係のお話とか事柄とかが、昔から好きです。
株とかに手を染めるずっとまえから。

まだ3巻までしか読でいませんが、1巻では「貨幣(の改鋳)」、2巻は題名の通りの胡椒(香辛料)の取引からはじまり、商人同士の謀略戦、そして情報の重要性がテーマ、3巻では嗜好品に関わるバブル(短期的な価格異常高騰)の描写があり、後半ではそのバブル相場にまつわる「先物取引」が大きな要素をもつことになります。
先物取引。
株などの相場に関わるとよく耳にする言葉です。日経225先物とか、国債先物とかね。
分からん人はググッてください。
自分もやってみたいのですが、まだ躊躇いがあります。
ヨーロッパじゃ中世の頃からあったのかなぁ。
日本では江戸時代の米取引において先物取引があったそうです。

あぁ、ところで「狼と香辛料」
数百年も生きている狼が少女に姿を変えて登場します。こちらも主人公の1人。
なんでなのか、話す言葉は「遊女言葉」・・・
たまたま出会った行商人と各地を旅しながら商売上起こる事件を乗り越えていく、というの物語の縦糸のようで、ありんす・・・

 

 

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2011/07/04

昨年より移動は多くなったかな。

ブログネタ: 移動中、何して過ごしてる?

会社の出張や、旅行の際にバスや飛行機、電車を使う場合は、必ずと言っていいほど本を持っていきます。

移動中の時間は読書には最適。

特に、その移動経路を何度も通ったことがあり、窓から見る風景も見飽きている場合は確実に本の世界に没頭してます。

最近は、「坂の上の雲」、山本文緒の短編集、浅田次郎の何か、中島敦、ライトノベル(「狼と香辛料」「トリニティ・ブラッド」など)あたりを読んでます(ました)。
かなり趣味がばらけてますかね。時代物や歴史物が好きですが、それだけしか読まない、というのはあまりにももったいない気がして、他の分野も積極的に手に取るようにしてます。
ただ、作者・作風の好みははっきりしているので、1冊読んでダメだと思った作者の本は金輪際読みませんね。

高校生のころ、東京近郊の私鉄で本に夢中になって降りるべき駅を乗り過ごしたことがあります。(苦笑)

参加数

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2010/01/05

ラブ・レター 浅田次郎

正月元旦に、近所のブックオフに行ってしこたま本をゲットしてきました。

一冊105円のものを7冊、1冊300円のものを1冊。計8冊
改めてみると実は短編集が目立ちます。
山本文緒さんの短編集、浅田次郎さんの短編集2冊、角田光代さんの短編集1冊
残りは津本陽さんの小説2巻組、あとは、藤本ひとみさんのとか、養老孟司さんの本。

浅田次郎さんの小説は何度か取り上げた気がするんですが、気のせいかもしれません。
だって、ここのカテゴリーで「書籍」見ても何にも入ってないし(苦笑
北方三国志とか、北方水滸伝とか、以前書いたやつはいったいどこのカテゴリーなんだ?
・・・改めて今年から読んだ本のレビュー入れていきますよ。
興味のある方は書籍カテゴリーで拾ってやってください。
 
 
さて第一冊目は浅田次郎の短編集。表題は「鉄道員(ぽっぽや)」
表題作は高倉健主役で映画化されているし、結構騒がれたのでご存知の方もいるかと思います。

 
自分はこの中で一番心が震えた「ラブ・レター」について書こうとおもいます。

なんでそんなに心が震えたんか。
この作に限らず浅田さんの作品の多くに共通しますが、その主人公への感情移入はいともあっさり簡単に出来てしまいます。
同じような環境に育ってきた人物像であればともかく、まして同じ時代、同じ国の人でなくても。

たまたまですが主人公高野五郎は今の自分とおそらくほぼ同じ年代です。
多分、最初にこの本を読んだときは10年近く前のこと。
もう10年近くたつのか、という思いと10年たっても吾郎さんの哀しみが変わらず伝わってきました。


吾郎は刑事に「お前のかみさんが死んだから、始末つけろ」と言われて何のことかとはじめ気がつかないが、思い当たる節がある。
以前親しくしているヤクザに言われて戸籍を「貸した」ことがあった。見知らぬ中国人女性と戸籍上では結婚していることになっていた。
その中国人女性が死んだという。

話の筋だけ言えば、吾郎は千葉の片田舎で売春婦として働いていた今まで会ったこともない戸籍上の妻の中国人女性の遺体を引き取って、お骨を彼の田舎、北海道の海沿いの寒村にある吾郎の家のお墓に入れることを決心するまでを描いています。

この作で、ラブレター、と思われる中国人女性、高野白蘭から吾郎に宛てた手紙は2通。
そのどちらも、文章としては別に名文でもなんでもありません。
彼女も、ただ中国から出稼ぎに来て、吾郎のことは入管や警察取調べを受けときのために、顔写真や性格や癖を聞いているのみです。
彼女は自分のために紙の上だけでも結婚してくれて日本で働くことができたことに対する、吾郎への感謝の気持ちが手紙にはつづられています。
この日本で頼るべき相手は戸籍上だけでも夫である高野吾郎自身しかいないわけです。だけど、事情が事情だけに合うことは許されない。もともとそんなことを望むべくもない。
彼女が吾郎に宛てた手紙には彼女の素朴な内面が溢れてきます。
いざというときのために渡された吾郎の写真を毎日見るうちに、会った事も無い吾郎の事を大好きになった、ということも書いてあります。
ラブレターといっても十代の頃の青臭い内容じゃなく、二十代の頃の熱情があふれたものとは違う。
ただただ、彼の戸籍だけでも貸してくれて妻にしてくれてありがとうとか、その優しさに非常に感謝していることとか。
心から愛しています、とか。
吾郎の写真だけをたよりにか細く生きていた彼女の想いが、その文章から強く伝わってきます。

吾郎はその手紙を見て、生まれてこのかた誰にも感謝されたことがない自分に飾る言葉などない素朴な言葉で感謝を伝え、あえなく死んでしまった戸籍上だけでも妻だった彼女に憐れみだけではない、ともすれば愛情のような感情を覚え、彼女のあまりにも切ない人生に慟哭してしまう。

読んでる自分も慟哭(w

高野白蘭のかわいそうな半生に同情して流す涙とは違うんです。
多分それも少しはあるんでしょうけど。
手紙の中にあふれ出てくる白蘭のいじらしいほどの想い、そしてそれを思いやって自分や周りの非道さを責める吾郎の純粋な気持ちと優しさ、そういった部分に心打たれたんじゃないかと思いました。

みんな優しい。

言葉で言うと簡単だけど、このことを実行するのは難しいし、たとえ小説であってもこのことをさりげなく表現し描いていくのはことさらに難しい。
自分がここ数年涙腺が緩むのは、ひとつにこの「優しさ」に触れる場面が多いのでね。


さて、この短編集ですが表題の「鉄道員(ぽっぽや)」でも十分泣かされます。
あと「角筈にて」もぐしゅっときましたね。
短編集、といってもそれぞれの作品がすごく際立っていて十把ひとからげに語るのが惜しいほどです。

第117回直木賞受賞作。
読んだことのある方はもう一度本棚からひっぱりだしましょう。
読んだことがない方はぜひ読んで泣いちゃってください。


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