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2009/05/24

映画「チェンジリング」と「グラン・トリノ」

 
GW後半のバリ島旅行の行き帰りの飛行機の中で映画を見ました。
最近の機内映画は封切り直後の映画を上映してますね。

(あとで考えてみたら、日本の封切が遅いだけか・・・)
つい先日見た「レッドクリフ2」も上映(中国語のみ)

自分は「グラン・トリノ」「チェンジリング」を見ました。
共通しているのは監督さん。
そして「グラン・トリノ」には監督自身が主演しています。
そう、その監督はダーティーハリーこと、クリント・イーストウッドです。
どちらも見た後に切なくなります。
「チェンジリング」は実話を基にしているらしいと聞いて、追い討ちをかけていたたまれない気持ちになりました。



以下感想です。ネタバレ注意です。

「チェンジリング」は今から80年前くらいにアメリカで起きた実際の事件が元になっています。
アメリカでの子供の失踪は今でも重大な問題です。
この事件もある母子家庭の子供の失踪から始まります。
後に子供は見つかるのですが、見つかったのは子供、と言う共通点だけ。
母親は遠方で見つかった子供が汽車で運ばれて駅で対面した時、わが子ではないことにすぐ気がつきますが、驚くことに警察は全く取り合いません。
目の前の見知らぬ子供すら自分を母親と言う始末。
母親はその後も警察に抗議をしますが、一度解決した事件を蒸し返すな、と脅される始末です。
権力の恐ろしさを肌があわ立つ思いで感じました。
もちろん学校の先生は帰ってきた子供が元の生徒でないことはわかっています。
裁判になったらなんでも証言してあげるわ、といってくれます。
かかりつけの歯医者ですら子供がすり替わったことを証言できる、といってくれます。
しかし、警察はそんな母親を精神異常者に仕立て上げ、病院に送り込み事件をもみ消そうとします。

その後、とんでもなく恐ろしい事件が失踪の真相だと分かるのですが、母親にとっては残念な結果になります。
しかしこの後にも、またひとひねり。

子供の失踪とそこからつながっていく猟奇的な事件がベースになっていますが、権力の恐ろしさ、母親の愛の強さ、をそれぞれ丁寧に描いていてストーリー展開のテンポがいいのでぐいぐいひきつけられていきます。
ただ、見終わった後の脱力感は否めません。
この脱力感は映画に失望しているわけではなく、現実の事件だったということになにかしらの失望感を感じました。
アメリカって国は何なんだよ、というような。
そんな国が振りかざした正義に振り回される日本って国は・・・
その一方で、決して希望を捨てない母親の愛情と強さに感動しました。
とてもいい映画だと思います。でも見る際にはちょっと覚悟が必要かも。



続いて「グラン・トリノ」
これも見終わった後に「チェンジリング」とは違う脱力感を感じます。
「えぇ~、そんな、何故?」
という結末です。

連れ合いを亡くしたばかりの老人(といってもかなりカクシャクとしてますが)が主人公です。
映画冒頭が奥さんのお葬式です。
息子が二人居ますがどちらももうすでに中年。
主人公の父親とはうまく折り合えてないみたいで、この辺イーストウッドの頑固じじいははまり役でしょう。
ぽつぽつ口走る独り言(ぼやき)は彼ならでは。

彼の住む家の隣にはミャオ族(苗族)の一家が住んでいます。
というか気がつくと彼の家の周りは彼らの一族ばっかりです。
頑固じじいには気に入らないことばかりですが、隣家の娘スーが気さくに彼とミャオ族をつなげていきます。
頑固一点張りのイーストウッドも、ミャオ族の素朴な生き方にちょっとリズムをはずされて「ガクッ」と来るような事もあります。
固い彼の心が、近所との付き合いの中ですこしづつやわらかくなっていくのがほほえましく描かれています。
スーには弟タオがいて、近所のギャングにそそのかされてイーストウッドが大事にしている車「グラントリノ」を盗もうとして失敗。
イーストウッドはこのタオに一人前の男がどうあるべきかを教え込みます。
ギャングの腹いせとそれに怒るイーストウッドの姿はダーティーハリーそのものです。
だけど、その結末はあまりにも「寂しい」終わり方です。

生き残ったものにとっては寂しさしか伝わらない終わり方だけど、男の命の幕の引き方、にあの選択肢は「あるかも知れない」と思ったのも事実です。
朝鮮戦争からの帰還兵である彼の背負っていたものはとても大きく、つらく、悲しいものであり、最後に見せたのはその罪の償いでもあったでしょう。

ただ、「グラントリノ」は受け継ぐべき者に受け継がれました。
男の心を受け継ぐように、と言う願いもあったとおもいます。

どこからどこまでが監督の守備範囲か分かりませんが、脚本が凄くいいんだろうということはわかります。
話のテンポの良さ、映像の展開の良さは監督の手腕でしょうか

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