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2008/11/01

貧乏父さんの国

日本テレビ系「ズームインSUPER」で辛坊さんが解説してました。
出元は日経の記事らしいのですが、

日本の社会の格差は2000年以降縮小している、そうです。

意外な印象を受けました。

 

最近、「ワーキングプア」という言葉が出てくるほどに日本の貧困問題が厳しくなっている、と言う認識でいました。
その延長で社会の格差は拡大している、と思っていたのです。

ですが、OECD(経済協力開発機構:欧米を中心とした先進国主体の金持ちクラブとも言われる)の調査によると、日本の所得格差と貧困は2000年まで拡大基調であったものが、2000年以降は逆に縮小しているそうです。

http://www.oecd.org/dataoecd/45/58/41527388.pdf

ただ、OECD加盟国中で日本の貧困層の多さは4番目に高い、と言われています。メキシコ、トルコ、アメリカについで4位。
辛坊さんは日本はごく一部のお金持ちを除いてみんな貧乏になった、と結んでいました。

(*OECDのグラフで2000-Midとあるのは日本は2003年データ。)

日本の統計(家計調査)をみても2000年以降家計の収入は減少しています。
(1997年~2003年まで減少、2004年~2007年まで横ばい)
実は年収の減少幅は富裕層ほど大きいものになっています。
バブル崩壊以降の資産デフレの影響も大きいでしょうね。
ごく一部のお金持ち、というのがほんの一握り(世帯比率で言えば0.1%)のスーパーセレブを言うなら、彼らの動向を統計上で調べ切れなかったのでよくわかりません。

ですが、みんな貧乏になったとする、辛坊さんの指摘は当たっているようです。
戦後最長の好景気、といわれた最近の好景気期間は全く実感が伴わないものでしたけど、みんな貧乏になった、なら納得するものがあります。


正確にいえば、日本での格差が最大だったのは2000年前後。ITブームの頃ですね。
その頃格差は大きかったけど「生活に困る人」の数はそれほど多くなかった。
その後、ITバブルが崩壊し、金持ちも実入りが減り、生活上の我慢が増えた。
数の上では多数の貧乏人はより貧乏になって、生活が困難になる人の数も増えた。
生活に困難をきたすほど我慢を超えた苦労が増えた分、格差を強く感じるようになった、と言うことなんでしょう。

もちろん「貧乏」といっても先進国中でいうところの貧乏です。
途上国の貧乏とは全く意味合いが異なります。
1500兆円ほども金融資産を持つ国に住む相対的な貧乏、ということなのでお間違いなく。

上記OECDでの貧乏人規定は、所得分布の中央値の2分の1未満で生活する人
*中央値、平均値ではない。
日本の所得中央値は450万くらいです。(平均は560万くらい。2007年統計値)
OECDが規定する日本の貧乏人は年間所得が220万円以下の人のことです。
日本の統計では20~30%近くいます。5人に一人は貧乏人です。
ちなみに大金持ちは5人に一人もいません。
OECDのコメントにも日本人の貧乏人はとことん貧乏だ、ってあります。
大金持ちはとことんお金持ちだ、というのもあります。

 

そこでまとめ。

「日本国内の経済格差は依然大きな問題で、ここ数年格差は広がっていないが格差の底辺のいる人々の生活苦はより深くなっている。」


こういった方向から見て、税金などの負担を考えた場合にどこに負担を求めるべきか、
「貧乏人が増えつつある」国民全体に公平に税を課す消費税の負担率を上げるべきかどうか、
そもそも今のシステムをこのまま継続すべきなのか、
われわれ自身が真剣に考えなければいけないことです。

格差問題における少子高齢化の影響については次回。

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