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2007/02/09

XPS

最近仕事で「XPS」を使っています。
X線を物体に当てて、その物体がどんな元素で出来ているか調べるために元素分析する装置です。「ESCA」、とも呼んでいます。
4~5年前にも物質の酸化状態を調べるため使っていた時期があったのですが、それ以来しばらく使っていなかったので使い方をすっかり忘れていました。
昔はあんまり使う人がいなかったので、いつでも使えたのですが最近は予約状況がタイトでなかなか自由に使えません。
XPSブームなんでしょうか?

X線を対象物に当てると、構成している元素に達し原子をまわる電子に当たります。
電子はX線のエネルギにーよって光となって外へ飛び出します。これがいわゆる光電効果です。
X線のエネルギーが、電子を原子に束縛しているエネルギーを奪い、かつ飛び出た光(電子)の持つ光電子エネルギーになっているので、
X線の光子エネルギーhνと電子のもつ束縛エネルギーEbとその電子が放つ光電子の運動エネルギーEkの関係は
Ek=hν-Eb
となります。

実際に測定しているのは外部に放出された光電子の運動エネルギーの分布です。
X線のエネルギーを固定すれば、固有の束縛エネルギーを持っている元素を既知の分布表と照らし合わせて同定する定性分析が可能です。
元素は単体ではなくある結合状態でいることがあります。その場合も電子の軌道は影響受けていて結合ごとに固有の束縛エネルギーになっているのでそのエネルギーごとに照らし合わせることで定性が可能です。
また光の波長の強さや広がりかたから、その元素の量も知ることができるので元素比などの定量分析も可能です。

光電効果は自分にとっては馴染み深いです。
大学のとき宇宙線の観測でフォトマルを使っていました。
これは光電子増倍管(フォトマルチプライヤーチューブ)、といってごくごくわずかな光を検知するのに有効な道具です。
ひとつの光電子をある物体に当て、いくつもの電子を発生させ、その(光)電子をまた別な物体にあてさらにいくつもの電子を発生させ、なだれ的に電子を増やして信号を強くする、というものです。
わずかな光でもこれでしっかり信号として検知できるようになるのですね。
文字通り光電効果を利用しています。
ニュートリノの観測で有名な岐阜県神岡にあるスーパーカミオカンデでも使われています。
宇宙からやってきたニュートリノが水の分子に当たって発する「チェレンコフ光」というごくごく弱い光を検知するんです。
ちなみにこのフォトマル、日本の会社で浜松ホトニクスという会社が作っていて、カミオカンデの件でも有名になりましたが、そうでなくても昔からとてつもなく有名です。たぶんフォトマルはその会社にとって独占市場じゃないでしょうかね。

ちなみにこの項、毎度のことながら「落ち」はありませんのであしからず。

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